大橋同窓会長から入学された新会員へメッセージが届きました。

投稿日時:2015/4/7 4:23 PM
お知らせカテゴリー:お知らせ事務局からのお知らせ同期会・ゼミ会大学からのお知らせ支部・ブロック大会

ご入学をお祝いし、同窓会員になられたことを心から歓迎します

日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科、専門職大学院並びに社会福祉学部の入学生の皆様、ご入学おめでとうございます。キャンパスの桜が満開の中、皆様のご入学をお祝いできますことは大きな喜びであり、日本社会事業大学同窓会1万7千人を代表して心よりお祝い申し上げますとともに、日本社会事業大学同窓会の一員になられたことを心より歓迎いたします。

これからの社会福祉は、従来のような入所型施設におけるケアやサービス提供ではなく、福祉サービスを必要としている人を発見し、それらの人や家族の地域での自立生活を支援する地域福祉がメインストリームになります。そこでは、多様な専門職種が連携し、チームを組んで地域包括ケアを推進するシステムが求められます。私が行政アドバイザーをしております千葉県鴨川市は人口3万5千人の市ですが、毎年専門多職種連携セミナーを開催しています。昨年は19職種、150人の専門職が同じ事例、症例を使って生活困難な人や生活のしづらさを抱えている人の問題の診断・評価と問題解決の援助方針立案の合同カンファレンスを開催しました。医師や看護師、保健師、作業療法士、管理栄養士あるいは弁護士、司法書士等と一緒になって地域自立生活支援のためのカンファレンスを行うわけです。そのような状況の中で、社会福祉を学んだ人がどのように評価され、どのような役割を担えるか、その力量が問われている訳です。一人ひとりの力量には当然違いがありますが、少なくとも専門多職種連携においては国家資格を有しているかどうかが一つの評価尺度です。私が理事長を仰せつかっている公益財団法人テクノエイド協会は国から義肢装具士の国家試験機関の認定を受け、義肢装具士の国家試験を行っていますが、2014度の国家試験の合格率は90.2%でした。過去には、100%や97.1%、98.5%の年もありました。少なくとも義肢装具に関わる業務を行おうとすれば義肢装具士の国家資格を持っていなければ話になりません。社会福祉士、精神保健福祉士は業務独占ではないからという甘えからか、社会福祉士の国家試験の合格率は新卒者で45.4%と低く、日本社会事業大学は頑張ってくれましたが、2014年度の合格率は新卒者で63.7%でした。社会福祉学部の皆さんが卒業する時には地域包括ケアシステムは相当に進んでいます。他の専門職と一緒になって仕事をするためには社会福祉士の資格は必要不可欠です。是非全員合格するように頑張って下さい。

また、これからの社会福祉のメインストリームである地域福祉を推進していく上で、ソーシャルワーク機能の理解とその実践力を身に付けることはとても重要です。昔とちがって、今日の社会福祉は社会福祉法制度の枠の中だけで仕事をしていればいい時代ではありません。地域で自立生活が困難な人を発見し、その人との信頼関係を築き、必要なサービスを提供すると同時に、問題解決に必要な、適切なサービスがない場合には,ボランティアの協力も得ながら、新しいサービスを開発することも求められます。しかも、ソーシャルワークの実践場面は、厚生労働省の管轄領域のみならず、文部科学省、法務省等他の省庁の領域でも求められてきている機能です。それだけに、社会福祉士の国家資格の取得はもとより、他の専門職からも評価されるソーシャルワーク機能に関わる実践力が求められます。ソーシャルワーク機能に関わる実践力は大学の授業の中だけでは身に付けられません。人間性尊重、人権感覚等の人間観、憲法第13条に基づく幸福追求の考え方、新しいサービスを開発する企画力、自立生活が脅かされ、人生に失敗し、ややもすると社会から隔絶しがちな福祉サービスを必要としている人々と繋がり、信頼関係を築ける能力等は日常の、普段の生活のなかで意識して取り組まなければなかなか身に付くものではありません。日本社会事業大学は社会福祉の単科大学です。日常的にそれらの問題に触れる機会は学内外に沢山あります。ボランティア活動やサークル活動を通じて身に付くよう頑張ってください。

一方で、矛盾しているようですが、日本社会事業大学は社会福祉の単科大学です。ややもすると、社会福祉という枠の中だけで物事を考えがちになり、物の見方が狭隘になる危険性もあります。福祉サービスを必要としている人の人生は多様です。それらの人に寄り添い、支えていくためには、ソーシャルワーク実践者の社会性を広くし、包容力を豊かにすることが必要です。帝国ホテルで食事もできれば、様々な生活困難な状況を抱えている人が多く住んでいる山谷や釜ヶ崎といった地域で時には焼酎を飲めるような生活の幅の広さも求められています。4年間の学生生活を無駄にすることなく、大いに学業に、サークル活動に、ボランティア活動に邁進してほしいと思います。

同窓会としましても皆様の日本社会事業大学入学時の思いが成就するよう実習面、就職面、国家試験対策面等において大いに協力、支援をしていきたいと思っています。

この入学式には、お忙しい中、日本のソーシャルワーク実践を担ってくれているソーシャルワークの全国的職能団体である日本社会福祉士会や日本社会福祉士会や日本精神保健福祉士協会の役員の方もご列席いただいています。皆さん、日本社会事業大学への入学を目指した志を忘れず、社会福祉士や精神保健福祉士等の国家資格を取得し、ともに日本の社会福祉の向上とソーシャルワークの社会的評価を高めるために、ご列席いただいている日本社会福祉士会や日本精神保健福祉士協会の皆さんともども一緒に頑張りましょう。

 

2015年4月3日

日本社会事業大学同窓会

会長  大橋 謙策

 

(付記 本祝辞は日本社会事業大学の入学式での同窓会を代表しての祝辞として用意されたものである。)